・ここまでの説明でお気づきと思いますが、水漏れはほとんどが継手からのものです。すなわち、そこに継手があるから・・と言わせる由縁です。我々設計者も現場での施工者も常に、これとの戦いでしたし、これからもそうでしょう。最近の給水・給湯配管では継手の極端に少なくなった樹脂管工法(さや管ヘッダー工法:別項 給水のしくみを参照下さい)が開発され事故も水漏れも激減するであろうと期待しました。
・しかし水漏れは半減はしましたが、激減はしないのです。理由は継手以外にも、ありました。画像をご覧下さい。
首記にも記載しましたが、意匠では少しでも多く専有部面積を確保することに躍起になり、機能を優先する我々の主張を尻目にドンドン設備配管をすき間へ追いやります。マンションの設備機能は益々高度に幅広く要求される時代に設備スペースは従来のままか、それ以下です。
・画像@:これは45センチ角の点検口を開けた画像です。コンクリート面から高さ20センチのスペースに上下2段の集合継手(アイボリー)が見えます。計11ヶの継手がありますが、水漏れがあったときどの継手かを捜すのも大変ですが、それ以上にこのスペースで修理が可能かどうかが問題でありましょう
・画像A:これはコンクリート床の上に給水・給湯配管を先行工事しているものです。工事現場では多種の工事が同時進行するため先行配管そのものは良いのですが、この配管の上を沢山の職人さんが往来します。道具を乗っけたり、脚立の脚が乗ったり、直径15ミリの配管は配管時新品のものがフローリング工事されるまでに傷つき悲鳴をあげることになります。
・本来この細い配管を保護しなければなりません。これを養生といいますが、ほとんどが養生されてないのが現状です。この現場もスーパーゼネコンによる工事ですが、工期の問題もあり我々が注意を促すのですが養生されないままでした。
・樹脂管そのものは大変強く作られてはいるのですが、鋼管ほどではなくこの時期にちょっとしたヒビが将来トラブルの原因になるのです。
・配管後、床フローリング工事・間仕切り工事等々内装工事が始まります。この時の釘打ちが配管の最大の敵です。床下にある設備配管は工事が進めば基本的に隠れる訳で上からどんどん釘を打ってくる。通常内装工事の最中は給水・給湯配管等には管中に水を入れ圧力を上げ、釘打ち事故を発見できる対策はします。但し、住戸数が多いと全戸をくまなく内装工事の工程にあわせての注水テスト(水圧テスト)は完璧ではない。
・よくある事故で樹脂管が鋼管より軟質なため釘がささった時点では釘と密着した状態となり、密着した少しの隙間からの漏水が始まる。注水テスト(水圧テスト)以降での発見は非常に難しい。私の経験では総戸数の5〜10%にこの症状があった。
・画像B:これはキッチンの検査時に発見したものです。手前に見えるグレーの筒状のものはキッチンの排水トラップで、その奥に配管スペースがあり、これの点検口を開けたところです。シルバーカラーのUの字に見えるのはキッチンで使う湯水混合水栓のシャワータイプのホースです。シャワー部分の取っ手から水滴がこのホースを伝わって下ってきたものを奥に見える白いバスケットで受ける仕様になっているのですが、うまく収まっていない状態です。
・マンションで一番使用率の高いキッチン水栓での水滴は数ヶ月後には配管からの水漏れと間違うほどの量になり、バカにできないものです。これも有名キッチンメーカーのものですが、やはり見えない部分での仕様には手を抜くものです。
・画像C:これは画像Bキッチン正面の配管部分を側面から覗いたところです。奥行き約10センチの内にぎっしり詰まった配管をご覧下さい。これで水漏れが起こった時の修理の状況を想像して見て下さい。
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